公共工事の入札における積算内訳書の「有価物」について解説します。
産業廃棄物と有価物の違いは?
一般的に、処分費用を必要としないものは廃棄物ではなく有価物とされています。
有価物の判断基準として、売却金額から運搬費用を差し引いたときに、排出事業者側に利益があるかどうかが目安となっています。
つまり、有価物とは売却金額から諸経費を引いてもなお排出事業者側にプラスになることが必要です。
文字通り「価値が有る物」だから有価物なのです。
参考)
質問 回答 ただし書きに「共通仮設費率を算定する場合の直接工事費には、発生材処分費を含まないものとする」との表記があります。 その他工事を含めて発注する場合、取り壊し工事の中に鉄筋等の故材評価として有価物の減額項目が出てきます。
この場合、以下のどちらの方法で経費率を算定するのでしょうか。
① 発生材処分費から故材評価額を減額した額を発生材処分費として扱う
② 故材評価額を考慮しないものを発生材処分費として扱い、一般工事の直接工事費から故材評価額を減額する(一般工事の経費計算には減額された額を使用する)
国等では、建設発生材の処分は物品管理法に基づき行われ、建設発生材の中に有価物がある場合は、原則として物品管理官に引渡し有価物の売却益は工事費に含めないこととしています。 発注機関によっては工事費に含めることができる場合もありますので、その場合は、直接工事費の発生材処分として扱います。
詳しくは発注者様にお問い合わせください。なお、「公共建築工事積算基準等資料(平成31年版)」第3編第2章2(2)並びに第3章2(2)では、「建設発生土処分費及び発生材処分費を含めて発注する場合は、これらの費用の共通仮設費(現場管理費)は算定しない。」としています。
また、「同資料(令和2年改定)」も同様となっています。「平成31年基準 公共建築工事積算基準の解説」Q&A 抜粋
結論として、有価物の取り扱いについて、原則はあるものの発注機関により取り扱いが異なるため確認しましょう。